運動会屋が発信する運動会に関するコラムです
介護施設や老人ホームでは、娯楽や機能訓練を目的に様々なレクリエーションが行われていますが、その中でも特に盛り上がるのが運動会です。
本記事では、高齢者施設で運動会を開催するメリットやおすすめの種目、開催準備のポイントを解説します。
高齢者施設で運動会を行うメリット
高齢者施設で開催される運動会には、入居者の娯楽以外にも様々な目的や効果があります。
ここでは、高齢者施設で運動会を行う4つのメリットを解説します。
●健康の維持と促進
●ストレスの解消
●認知症などの予防や防止
●コミュニケーションによる孤独感の解消
健康の維持と促進
高齢者施設では頻繁にレクリエーションが行われていますが、運動会はその中でも特に身体を動かすレクリエーションです。
高齢になれば積極的に身体を動かす機会も少なくなりますが、楽しく運動できる運動会ならば健康の維持と促進に大きな効果をもたらすでしょう。
ストレスの解消
高齢者になると、運動不足や身体が思い通りに動かず、ストレスを溜めてしまいがちです。
運動会は体を動かすだけでなく、声を出して応援する場面もあるので、ストレス解消の効果も期待できます。
認知症などの予防や防止
運動会で体を動かすと脳が活性化され、認知症などの予防や防止が期待できます。
また、入居者や職員の方と一緒に競い合ったり、感情を共有することは普段使わない脳の部分を刺激するので、脳の健康維持にも効果があります。
コミュニケーションによる孤独感の解消
運動会では入居者同士や職員の方とも自然とコミュニケーションを取る機会が増えるので、孤独感の解消につながります。
孤独になりがちな入居者も運動会を通してコミュニケーションを取れば、他の入居者と良い人間関係を築けるでしょう。
おすすめの運動会レクリエーション10選
ここからは、高齢者施設でおすすめの運動会レクリエーション10選をご紹介します。
1.応援合戦
応援合戦は運動が得意でない方や身体が不自由な方でも気軽に参加できます。
お揃いのはちまきなどを身に着けて声を出したり、うちわやポンポンを振ることで運動会を盛り上げることができます。
2.借り物競争
運動会で人気の高い借り物競争は、競技者だけでなく、見ている方も参加できるのが大きな魅力です。
高齢者の借り物競争では、入居者が競技者になると怪我のリスクが高まるので、職員が競技者となって入居者から物を借りるとみんなでワイワイ楽しめます。
3.玉入れ
運動会の定番玉入れでは、腕の筋力が衰えている入居者もいるので、投げて届く場所に箱を設置するのがポイントです。
また、箱の中に高得点となる小さい箱を設置したり、特定の玉の色を高得点にするルールを設ければ競技をさらに盛り上げられるでしょう。
4.大玉送り
大玉送りは入居者が椅子に座って並び、玉を頭の上で送っていく競技です。
大玉にはバランスボールなどの軽くて柔らかいものが適していますが、人数がそれほど多くなければ、風船を送るなどのアレンジをすると良いでしょう。
5.紐引き
運動会の定番の綱引きは、競技の環境やルールを高齢者に合わせることで、安心・安全に楽しめます。
例えば、競技は団体戦でなく個人戦にして、綱の代わりに紙紐などの破れやすい材質を使って、紐が切れたほうが負けというルールにすると怪我のリスクを減らせます。
6.お手玉積み
お手玉積みは、ラップの芯などの細長い棒の上にカゴを載せて、そのカゴにお手玉を積んでいく競技です。
棒が倒れるまでお手玉を入れていき、最も多くのお手玉を積み上げたチームが勝ちというシンプルな競技なので、体力に自信がない方でも参加できます。
7.リレー
運動会のリレー競技は、工夫次第で様々な楽しみ方ができます。
例えば、スプーンにピンポン玉を乗せて隣の人に渡す「スプーンリレー」、口にくわえたストローを使って隣の人に輪ゴムを渡していく「ストローリレー」、また小豆を割り箸でつかんで別の皿に移し替えてタイムを競う「豆つかみリレー」などはシンプルなルールですがとても盛り上がります。
8.二人三脚
二人三脚は運動会の定番ですが、高齢者の二人三脚は入居者同士で行わず、職員と一緒にやると安全性が高まります。
また、走るのを禁止にしたり、Uターンコースなどをなくしてまっすぐなコースにすると転倒のリスクを減らすことができます。
9.的あて
的あては、お手玉のような柔らかい球を使ってペットボトルなどの的を当てる競技です。
大小の的を用意して得点の差を設定したり、団体戦なども取り入れるとさらに競技が盛り上がるでしょう。
10.ボーリング大会
一般的なボーリングは重たいピンとボールを使いますが、高齢者向けのボーリングではペットボトルなどをピンに見立てて、ボールは新聞紙のような柔らかい素材を使用します。
入居者の身体能力に合わせて、ピンの重さや位置、投げる場所なども調整できるので、柔軟性の高いレクリエーションとして人気です。
高齢者施設で運動会を開催する流れ
ここでは、高齢者施設で運動会を開催するまでの流れを解説します。
1.プログラムを作成する
運動会を開催するにあたって、最も重要な事項なのがプログラム作成です。
プログラム作成は、下記を意識して行いましょう。
●安全を最優先する
●運動種目を連続させない
●見ながら楽しめる競技を入れる
●大きな声ではっきり進行する
●ルールの難しい種目は控える
●感染症予防を徹底する
●当日のスタッフの配置
運動会では参加者が競技に熱中しすぎて怪我をしてしまうことがあるので、何かあればすぐに職員が動けるように安心・安全な運動会を進行していきましょう。
2.装飾品や備品を準備する
運動会を盛り上げるためにも、装飾品や備品の準備は入念に行いましょう。
運動会で定番のアイテム万国旗をはじめ、折り紙で作るペーパーフラッグ、走っている子供のパネルや紅白のボンボンなどを会場に設置すると、雰囲気がぐっと良くなります。
手作りできない備品はレンタルでも調達可能なので、検討してみてください。
3.参加人数とチームを構成する
参加者全員が運動会を楽しむためには、バランスの取れたチーム構成が重要となります。
チーム構成の際は、参加者の体力などをよく考えて、全員が無理なく参加できるよう調整しましょう。
高齢者施設で運動会を開催する際のポイント
高齢者施設で運動会を開催する際は、下記5つのポイントをおさえておきましょう。
●装飾品などは利用者と作成する
●準備運動は必ず行う
●入居者の身体に負担をかけない
●トラブルを避けるため協力型の種目にする
●参加者全員を表彰して良き思い出にする
それぞれ解説します。
装飾品などは入居者と作成する
参加者全員が運動会を楽しむためには、入居者と職員が運動会に向けて一緒に目標を達成することが重要です。
例えば、日々のレクリエーションの中で入居者と職員が一緒に装飾品を作れば、自分たちで会場を作ったという達成感が得られ、運動会をより楽しむことができるでしょう。
準備運動は必ず行う
運動会は普段のレクリエーションと違って大きく盛り上がりますが、張り切り過ぎて激しく運動をしてしまうと怪我のリスクが高まります。
怪我をしてしまうと、その後の生活にも支障が出てしまうので、運動前には必ず準備運動を行って体をほぐしておきましょう。
入居者の身体に負担をかけない
主催者側からすれば、プログラム通りに運動会を進行しようと考えてしまいますが、運動会の主役は入居者なので、入居者の負担にならないように配慮することが大切です。
入居者に無理強いさせてしまうと怪我のリスクも高まるので、入居者の気持ちを尊重し、楽しめる範囲で運動会を進行しましょう。
トラブルを避けるため協力型の種目にする
運動会の競技種目は、できるだけ全員が協力する種目を取り入れていきましょう。
1対1で競う競技を多く入れ過ぎると、勝ち負けにこだわってしまい、入居者同士のトラブルに発展してしまう可能性があります。
また、常に勝ち負けにこだわってしまうと入居者も疲れてしまうので、精神的に休めるように勝ち負けのない競技も取り入れましょう。
参加者全員を表彰して良き思い出にする
運動会の最後はどのチームが勝ったのかを表彰式で締めますが、参加者全員を表彰するとさらに盛り上がります。
例えば、楽しくプレーした人、笑顔が素敵だった人、応援を頑張った人などの個人賞を渡せば、また運動会に参加したいという気持ちが強くなるでしょう。
プロに依頼すれば安心で安全に開催!
高齢者施設の運動会を成功させるには「安心」と「安全」の確保が重要です。
運動をする以上、怪我のリスクは避けられませんが、安心かつ安全な運動会を実施したいならプロに業務を依頼した方が成功率が高くなります。
特に、運動会の企画に慣れていない方やコア業務が忙しい方は、ノウハウと実績が豊富なイベント会社などにアイデアをもらって効率的に運動会を進行していきましょう。
まとめ
高齢者施設で運動会を実施するメリットや開催する時のポイントを解説しました。
高齢者の運動会は、レクリエーションを通して他者と交流したり、頭や体を動かしたりできるので心身の活性化が期待できます。
運動会の企画では、場を盛り上げるための雰囲気作りも大切ですが、怪我などのトラブルにも十分配慮して安全で楽しい運動会を行ってください。