運動会屋が発信する運動会に関するコラムです
世界中の人々が手を取り合い、リズムに合わせて心を通わせるフォークダンス。
近年、学校教育におけるフォークダンスの実施は減少傾向にありますが、その魅力は今もなお運動会や体育祭の定番演目に取り入れられています。
本記事では、運動会でおすすめするフォークダンスの定番曲、基本的な踊り方をわかりやすく解説します。
フォークダンスとは?

フォークダンスとは、世界各国に伝わる民族音楽を楽しみながら踊る民俗舞踊です。
特定の国や地域に古くから伝わる踊りで、お祝いやお祭りの日などに民衆が楽しむために生まれました。
フォークダンスには大きな特徴が2つあります。
●コミュニケーションが生まれるダンスである
●日本では米国経由のものがよく踊られている
それぞれ見ていきましょう。
コミュニケーションが生まれるダンスである
フォークダンスはコミュニケーションが生まれるダンスです。
フォークダンスでは参加者同士が手をつないだり、輪になって踊ることが多いため、心理的な距離も縮まりやすくなります。
また、同じステップや振り付けをパートナーと共有することで一体感も生まれます。
日本では米国経由のものがよく踊られている
日本におけるフォークダンスは米国経由のものがよく踊られています。
日本にフォークダンスが伝わったのは、第二次世界大戦後と言われています。
当時、長崎県で教育官をしていたGHQの関係者が「スクエア・ダンス」を伝えたことがきっかけになり、それが全国的に広がりました。
フォークダンスでよく使われる曲と踊り方

フォークダンスでよく使われる曲や踊り方には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、フォークダンスの定番曲と踊り方を7つ紹介します。
●マイムマイム
●オクラホマミクサー
●パティケーク・ポルカ
●キンダー・ポルカ
●コロブチカ
●エース・オブ・ダイヤモンド
●ソーラン節
それぞれ解説します。
マイムマイム
1つ目は、マイムマイムです。
マイムマイムは、貴重な資源である水を掘り当てた人々が喜ぶ様子を歌にした踊りです。
マイムマイムの基本的な踊り方は次の通りです。
・参加者同士が手をつないで輪になる
・右足を前にクロス
・左足を横へ出す
・右足を後ろにクロス
・左足を横へ出す
・2〜5を繰り返す
・曲に合わせて手を上げたり、体を揺らす
マイムマイムは、当時の情景をイメージしてテンポ良く踊るのがポイントです。
オクラホマミクサー
2つ目は、オクラホマミクサーです。
オクラホマミクサーは、アメリカのフォークダンスとして知られており、「藁の中の七面鳥(Turkey in the Straw)」という楽曲に合わせて踊ります。
オクラホマミクサーの基本的な踊り方は次の通りです。
・男性が内側、女性が外側に立ち大きな輪を作る
・右足から一歩横に踏み出し、左足を右足にそろえる
・右足で軽くホップ
・1~3を繰り返す
・基本のステップに加え回転する
・曲の特定のタイミングで男性は右隣の女性とパートナーを交換
・2~6を繰り返す
オクラホマミクサーは地域や団体によって踊り方が異なるため、初心者は無理せず簡単なステップから始めましょう。
パティケーク・ポルカ
3つ目は、パティケーク・ポルカです。
パティケーク・ポルカはイギリスからアメリカに渡ったフォークダンスで、軽快なポルカのリズム「パティケーク・ポルカ」という曲に合わせて踊ります。
パティケーク・ポルカの基本的な踊り方は次の通りです。
・男性は内側、女性は外側に立つ
・右足のかかとを前に出し、つま先を後ろに引く
・左足のかかとを前に出し、つま先を後ろに引く
・両足で軽くジャンプ
・2〜4を繰り返す
・曲に合わせて手拍子をする
・曲の特定のタイミングで男性は右隣の女性とパートナーを交換
・2~7を繰り返す
パティケーク・ポルカは、踊りながら手拍子をするのが大きな特徴です。
手拍子のタイミングやリズムを感じながら踊るとよりダンスを楽しめます。
キンダー・ポルカ
4つ目は、キンダー・ポルカです。
キンダー・ポルカはドイツ語「キンダー(子供)」という言葉から名づけられた、子供向けのフォークダンスです。
子供たちが楽しく踊れる「キンダー・ポルカ」という曲に合わせて踊ります。
キンダー・ポルカの基本的な踊り方は次の通りです。
・参加者同士が手をつないで輪を作る
・右足から前にステップして左足を右足に引き寄せる
・2を繰り返す
・右足、左足と交互に足踏みする
・2~4を繰り返す
キンダー・ポルカは曲に合わせた振り付けがあるのが特徴です。
代表的な振り付けには、手や肩、膝などをたたく以外に、指をさす、手を組む踊りなどもあります。
コロブチカ
5つ目は、コロブチカです。
コロブチカは、ロシアの民謡「行商人(コロベイニキ)」をもとにしたフォークダンスです。
行商人の若者と村娘の恋物語をテーマにした曲に合わせて踊ります。
コロブチカの基本的な踊り方は次の通りです。
・男性が内側、女性が外側に向かい合って円になる
・両手を組み音楽に合わせてステップを踏む
ステップは主に次の3つがあります。
・ランニング・ショティッシュ・ステップ(右足から3歩前に進み、4歩目でホップ)
・スリーステップ・ターン(右足から右回りに3歩回って耳のところで拍手)
・バランスステップ(パートナーと手を取り合って体を揺り動かすステップ)
コロブチカはパートナーと息を合わせて、スムーズに踊るのがポイントです。
エース・オブ・ダイヤモンド
6つ目は、エース・オブ・ダイヤモンドです。
エース・オブ・ダイヤモンドは、デンマークの農民の間で踊られているフォークダンスです。
原曲はデンマークの古い童謡の「リッチ・ラッチ」で、軽快なリズムとステップが特徴です。
エース・オブ・ダイヤモンドの基本的な踊り方は次の通りです。
・2人向かい合って円になる
・最初の8呼間は、1拍(または2拍)拍手をする
・両手を組み音楽に合わせてステップを踏む
ステップは主に次の4つがあります。
・スタンプ(足を強く踏み鳴らす動き)
・スキップ・ステップ(足を交互に踏み出し、片足で軽く跳ねる動き)
・ブレッキング・ステップ(足を交差させたり、横に踏み出したりする動き)
・ポルカ・ステップ(軽快でリズミカルな動き)
フォークダンスの基本的なステップを学ぶのに適しているため、学校の体育祭やレクリエーションでもよく踊られています。
ソーラン節
7つ目は、ソーラン節です。
北海道の日本海沿岸部発祥の民謡ソーラン節は日本で最も有名な民謡の一つであり、ニシン漁の作業歌として歌われています。
力強い掛け声や独特な節回しが特徴で、学校の運動会や地域のイベントなどで踊られています。
ソーラン節の基本的な踊り方は次の通りです。
・構え(足を肩幅に開いて膝を軽く曲げて腰を落とす)
・網引き(網を引くように腕を後ろに引く)
・船漕ぎ(片足を前に踏み出して船を漕ぐような動き)
・掛け声(「ソーラン!ソーラン!」という掛け声を入れる)
ソーラン節は力強いリズムが特徴なので、音楽に合わせて体を大きく動かすことがポイントです
フォークダンスのイメージは世代によってさまざま

世界各国に伝わる伝統的な踊りとして楽しまれているフォークダンスですが、そのイメージは世代によってさまざまです。
昭和と令和でどのようなイメージの違いがあるかを解説します。
昭和生まれには淡い青春の思い出
昭和生まれの方にとって、フォークダンスは淡い青春の思い出と結びついていることが多いようです。
昭和の時代、フォークダンスは多くの学校教育に取り入れられていました。
そのため、学校の授業でフォークダンスを踊った世代にとっては、フォークダンスの曲を聴くと当時の思い出が鮮やかに蘇るのかもしれません。
近年の学校ではフォークダンスは減少傾向にある
近年の学校教育において、フォークダンスが取り入れられる機会は減少傾向にあります。
減少傾向の理由はさまざまですが、「児童数の減少」や「コロナ禍」も要因として考えられます。
また、最近はストリートダンスやヒップホップといった、ダンス教育の多様化も進んでいるため、フォークダンスの位置づけが変化していると考えられます。
まとめ
運動会でおすすめするフォークダンスの定番曲、基本的な踊り方を解説しました。
近年は減少傾向にあるフォークダンスですが、初対面同士でも短時間でお互いの距離が縮まり、楽しい時間を過ごせるメリットがあります。
これから運動会にフォークダンスを取り入れようと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしていただければ幸いです。