2024.12.09
社内運動会

イマドキの「順位をつけない運動会」世間の反応やメリット・デメリット

子供や保護者の思い出に残る大きなイベントのひとつに運動会があります。

しかし、近年の運動会は猛暑や生徒数の減少、価値観の多様化などにより昔と比べてさまざまな変化が見られています。

本記事では、近年主流になりつつある「順位や勝敗をつけない運動会」におけるメリットやデメリット、世間の反応などを解説します。

学校教育の変化における昨今の運動会とは?

昨今の運動会は学校教育の変化に伴い、運動会の形が変わりつつあります。

主な変化は次の2つです。

●順位や勝敗をつけない運動会が増加

●勝敗よりも子供の「安全」と「絶対評価」が優先

それぞれ解説します。

順位や勝敗をつけない運動会が増加

年々多様化する社会の中で、順位や勝敗をつけない運動会が増加してきています。

近年の教育方針は日頃の努力や成果を重視する傾向にあるため、徒競走や綱引き、騎馬戦などの競技に勝敗や順位をつけないようにしています。

また、ダンスや演技、親子で参加するレクリエーション種目など、勝敗や順位がつきづらいプログラムが組み込まれるようになってきていることも特徴です。

勝敗よりも子供の「安全」と「絶対評価」が優先

昨今の運動会は、勝敗よりも子供の「安全」と「絶対評価」を優先しています。昔の運動会は棒倒しや騎馬戦、組体操などの団体競技がありました。

しかし、団体競技はケガのリスクが高く、相対評価にも明確な基準が設けられていない場合があります。

このようなリスクを減らすために、昨今の運動会では安全性の高い種目や子供たちの成長を把握しやすい種目を取り入れるようにしています。

順位をつけない運動会のメリットは?

順位をつけない運動会には2つのメリットがあります。

●実力差がなく競技に公平さが生まれる

●スポーツは楽しむものとして認識できる

それぞれ見ていきましょう。

実力差がなく競技に公平さが生まれる

1つ目は、実力差がなくなり競技に公平さが生まれることです。

たとえば、本来徒競走は順位のつく競技ですが、レース終了後にコースごとに並ぶことで誰が何位だったかわからなくなります。

誰が1番先にゴールしたのかは明確ですが、順位がなくなることで実力差関係なく個人の頑張りを評価できるようになります。

スポーツは楽しむものとして認識できる

2つ目は、スポーツは楽しいものとして認識できることです。

昔の運動会は運動の得意な子が活躍するイベントでした。

しかし、順位がなくなることで運動に対する劣等感や恐怖から解放されて、のびのびと運動会を楽しめるようになります。

順位をつけない運動会のデメリットは?

順位をつけない運動会には2つのデメリットがあります。

●競争する感覚を学ぶ機会が失われてしまう

●運動が得意な子供が実力を評価されない

それぞれ解説します。

競争する感覚を学ぶ機会が失われてしまう

1つ目は、競争する感覚を学ぶ機会が失われてしまうことです。

競争する感覚を学ぶ機会が失われると、他者との優劣を判断するのが難しくなります。

この結果、あらゆる物事に対して努力しようとする姿勢が欠けてしまい、うまく成果を出せない可能性があります。

運動が得意な子供が実力を評価されない

2つ目は、運動が得意な子供が実力を評価されないことです。

一生懸命努力したことに対する評価がないと、自己肯定感の低い子供になってしまう可能性があります。

自己肯定感が低くなるとネガティブな思いを抱いてしまい、人に依存したり、何に対しても意欲を持てなくなってしまうことがあります。

順位をつけない運動会は賛否両論

順位をつけない運動会には賛否両論があります。

世間はどのような反応をしているのか見ていきましょう。

【賛成派】

●運動が苦手な子供が大勢の前で恥をかかなくて済む。

●子どもが早々に運動嫌いになるのは将来的に大きな損失。順位をつけないのは有効。

●努力してきた過程や友だちと力を合わせている姿を保護者に見てもらえればいい。

●着順という結果にこだわらず、全力で走り切った頑張りを褒めればそれでいい。

●何位という旗の後ろに並ばなくても見ていれば順位がわかる。

【反対派】

●勝敗をつけないなら、そもそもやる意味がない。

●運動会の花形競技がないのは寂しい。

●仲間と力を合わせて勝負に勝てば自信になるし、負けても学ぶことがあるはず。

●順位をつけないのは、輝ける子どもの機会を奪っていないだろうか。

●テストに点数や成績があるように、スポーツにも勝敗があるのは当然。

「負けを知ることも大切」「スポーツは遊戯」など意見はさまざま

順位をつけない運動会では勝者や順位はわかりません。

そのため、「運動会で輝ける子供たちの機会を奪っていないか」、「負けを知ることも大切」という意見があります。

人は挫折を乗り越えたときに大きく成長するため、順位や勝敗のない運動会のあり方に違和感を覚える方も多いようです。

一方、「スポーツは遊戯」という意見もあります。チームメイトと力を合わせてスポーツを楽しんでいる姿や、努力した過程を保護者に評価してもらえればそれでいいという方も多いようです。

本来「sports(スポーツ)」という単語は中世フランス語の「遊ぶ」、「楽しむ」、「娯楽を提供する」という意味を表す「desport(デスポール)」から来ています。

つまり、スポーツの本質はみんなが楽しむための「遊戯」であるというのがわかります。順位をつけない運動会に対する意見はさまざまですが、運動会を開催する際は、何を目的に置くかがポイントになるでしょう。

まとめ

近年主流になりつつある「順位や勝敗をつけない運動会」におけるメリットやデメリット、世間の反応などを解説しました。

順位や勝敗をつけない運動会には賛否両論があります。そのため、順位や勝敗をつけない運動会を開催する際は、運動会の目的を明確にすることが大切です。

これから運動会を企画される方は、本記事で紹介したメリットやデメリットを参考に運動会を開催してみてはいかがでしょうか。

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