運動会屋が発信する運動会に関するコラムです
運動会の疑問の一つでもある種目の起源。今回の種目は「大玉転がし」です。
本記事では、歴史やルールについて解説し、現在の運動会で行われている大玉転がしの定番やアレンジ種目をいくつか紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
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大玉転がしとは?
大玉転がしは、運動会でよく見られる人気の競技種目です。
大きな球体(通常、直径約1メートルのゴム製や合成樹脂製の軽量な球)を参加者が転がしながら、決められたコースを走る競技です。
この競技は、単純なルールながら非常に楽しく、参加者の協調性や瞬発力、バランス感覚を養うのに適しています。
子供から大人まで幅広い年齢層で楽しめることから、学校の運動会だけでなく、地域のイベントや社内運動会などでも広く採用されています。
大玉転がしの歴史
ここでは、大玉転がしの歴史について解説します。
イギリス海軍のアスレチックスポーツから発展
運動会の起源は、19世紀後期にイギリスから日本に伝わった「アスレチックスポーツ」にあります。
当時、イギリスでは労働者向けのアスレチックスポーツが行われており、日本の海軍がそれを模した「競技会」を実施しました。競技会はやがて一般の学校や地域の行事にも広まり、日本独自の「運動会」文化として発展していったのです。
大玉転がしも、この過程で生まれた日本独自の競技の一つと考えられています。もともと訓練の要素を含んでいたこれらの競技は、時代とともに娯楽性が高められ、より楽しく、より多くの人が参加できるように進化しました。
大玉転がしは、その派手さと面白さから、特に人気を博した種目といえます。
大玉転がしの基本ルール
ここでは、大玉転がしの基本ルールと競技中のルールや確認事項を解説します。
大玉転がしの基本ルール
大玉転がしの基本的なルールは大変シンプルです。下記、主なルールを2つ説明します。
1.走者は1~3人で一組(人数はできるだけ多いほうが良い)
通常、1チームあたり1〜3人の走者で構成されます。ただし参加人数や大会の規模によっては、より多くの人数でグループを構成する場合もあります。
人数が多いほどチームワークの要素が強くなり、盛り上がる傾向があるでしょう。
2.スタートの合図で大玉をゴール(スタート地点)へ転がす
スタートの合図と同時に、各チームは大玉を転がしながら指定されたコースを走ります。
多くの場合、コースはスタート地点から一定の距離にある転回点(通常はコーンなどで表示)まで行き、そこを回ってスタート地点に戻ってくるという往復コースになります。
最初にゴール(スタート地点)に戻ってきたチームが勝ちです。
競技中のルール・確認事項
大玉転がしの基本的なルールは、大きな球体を転がしながらコースを進んでゴールを目指すというものです。
また、大人数によるリレー形式で行うケースもあります。この場合、バトンタッチは大玉が線を越えてからにするなど、細かなルールが必要になります。
大玉転がしを安全かつ公平に行うためには、下記の2点を確認することが重要です。
1.玉の大きさや場所の広さなどは事前にチェック
2.接触しないように隣の走者との距離は長めに設定する
それぞれ解説します。
1.玉の大きさや場所の広さなどは事前にチェック
まず、事前に玉の大きさや場所の広さなどをチェックしておきましょう。
●大玉のサイズ:全チームが同じサイズの大玉を使用する
●コースの長さと幅:スタート地点からコーンまでは20~30メートル推奨。コースの幅は広めに設定する
●地面の状態:凹凸が少なく、安全に走れる状態にする
●障害物の有無:コース上に不要な障害物がないようにしておく
2.接触しないように隣の走者との距離は長めに設定する
安全面を考慮し、各チームのコース間には十分な距離を設ける必要があります。
これにより、次のようなリスクの軽減が可能です。
●走者間の衝突
●大玉同士の接触
●他チームのコースへの侵入
一般的には、コース間に2〜3メートル程度の間隔を設けるのがおすすめです。
また、競技中は次の点にも注意が必要になります。
●大玉を故意に妨害したり、他のチームの大玉に触れたりしない
●コースアウトした場合は、その場所から競技を再開する
●転倒や怪我に注意し、無理な動きは避ける
大玉転がしのアレンジ種目
基本的な大玉転がしにさまざまなアレンジを加えて、新鮮さと面白さを増やすことができます。
ここからは、人気のアレンジ種目を5つ紹介します。
大玉送り
「大玉送り」は、大玉を持ち上げて送っていく全員参加型の競技です。
参加者は列を作り、大玉を頭上で受け渡しながら折り返し地点まで運びます。最後尾の人は大玉を転がして折り返し地点を回り、再び列を通じてスタート地点まで戻します。
勝利するためには、大玉を落とさずに効率よく運ぶことが重要です。背の高さ順に並ぶなど列の作り方を工夫し、指示役を置いてスムーズな連携を図ると良いでしょう。
また、力の入れ過ぎに注意して列の間隔を適切に保ちながら、折り返し時には素早く方向転換することがポイントとなります。
この競技に勝利するには参加者全員の協力が必要となり、チームワークと協調性が養われます。
大玉背負い
「大玉背負い」は、大玉を背中に抱えながら走る競技です。
2チーム以上で競い合い、各チームは5人1組のグループを複数作ります。スタート後、最初のグループが大玉を背負って折り返し地点まで往復し、次のグループへ大玉を渡します。
これを繰り返し、最後のグループ(アンカー)が最も早くゴールしたチームの勝利です。勝利のポイントは、メンバー同士の呼吸を合わせ、効率よく大玉を運ぶことです。
また、同じくらいの身長の人同士でグループを組むなど、戦略的なチーム編成も勝敗を左右します。
おしゃれだるま
「おしゃれだるま」は、帽子を被せただるまを複数人で持って走るユニークな競技です。
最低2チームで対戦し、だるまをリレー形式で運び、最も早くゴールしたチームが勝利します。ルールとして、帽子を手で押さえることは禁止されており、途中で帽子が落ちた時はその場で止まって帽子を被せ直してから再スタートしなければなりません。
この競技の勝利のカギは、スピードを維持しながらも帽子を落とさないバランス感覚とチームワークにあります。
だるまは常に地面と平行に保ち、全員が足並みを揃えて同じ速さで動くことが重要です。
ムカデ大玉転がし
「ムカデ大玉転がし」は、チームワークと協調性が試される独特な競技です。
最低2チームで対戦し、各チームは2グループに分かれます。参加者は前後に並び、足をひもで結んでムカデのように連結します。
この状態で大玉を挟んで2列となり、スタートの合図で大玉を転がしながら進み、最初にゴールしたチームが勝利です。
両手を使って効率よく大玉を転がし、全員が呼吸を合わせてリズミカルに動くのがポイントです。
バブル大玉転がし
「バブル大玉転がし」は、参加者がバブルサッカー用の巨大な透明バルーンに入り、その状態で大玉を転がす独特な競技です。
バルーンに入った状態でコースを進み、最初にゴールしたチームが勝利となります。
この競技は見た目の面白さと予測不可能な動きが特徴で、観客を大いに楽しませる人気のアレンジ種目です。
まとめ
大玉転がしは、19世紀後期にイギリスから伝わったアスレチックスポーツを起源とする運動会競技です。
基本ルールは、1〜3人の走者が大きな球体を転がしながら決められたコースを走り、最初にゴールしたチームが勝利するというシンプルなものです。
安全面では、玉のサイズや場所の広さの事前チェック、走者間の十分な距離の確保が必要になります。
また、基本の競技に加えて、「大玉送り」「大玉背負い」「おしゃれだるま」「ムカデ大玉転がし」「バブル大玉転がし」などのアレンジ種目があります。
ぜひ、運動会の競技に加えてみてはいかがでしょうか。