運動会屋が発信する運動会に関するコラムです
猛暑が一段落し、秋の運動会シーズンがスタートしました。今回は運動会を盛り上げる「騎馬戦」の歴史やルール、そして現在の運動会で行われている新しい騎馬戦について紹介します。
騎馬戦とは?
騎馬戦とは4人一組でチームを組み、チーム対抗で争う競技です。
3人が「騎馬」と呼ばれる馬の形を作りその上に騎手役の1人が乗って、相手側の騎馬の上に乗っている人が被っている帽子やハチマキを奪ったり、騎馬そのものを崩したりします。
騎馬戦の歴史
ここからは、下記の順に沿って騎馬戦の歴史を紹介します。
●明治時代に騎馬隊で行っていた競技が発展
●現在ではケガのリスクなどから取り入れる運動会が減少
一つずつみていきましょう。
明治時代に騎馬隊で行っていた競技が発展
運動会の中でも、騎馬戦は最も盛り上がる競技の一つであり高い人気があります。
騎馬戦は、もとは明治時代に騎馬隊で行われていた競技が、現在の形へと姿を変えつながったと考えられています。
騎馬戦はルールがシンプルで分かりやすく、特に用意すべき道具もない手軽さから日本中に広がり、運動会などに取り入れられるようになりました。
現在ではケガのリスクなどから取り入れる運動会が減少
競技に参加する側だけでなく、応援する側からも非常に人気のある騎馬戦ですが、現在では騎馬戦を行う運動会が少なくなっています。
その理由は、ケガのリスクが高いからです。
騎馬戦は中学生や高校生のように体が大きくなると、競技自体が格闘技のように荒々しくなり、激しい戦いが展開されてしまうこともあるためケガが発生しやすくなります。
過去には騎馬戦がきっかけで、生徒が重度の身体障害を負ってしまった例もあります。
騎馬戦の基本ルール
ここからは、騎馬戦の基本ルールを紹介します。
騎馬戦の基本ルール
●地域などによって若干違いはありますが、騎馬戦の基本ルールは下記の通りです。
●チームに分かれて4人で一組の騎馬を作る
●合図とともに相手騎馬の帽子やハチマキを取るか騎馬を崩す
●ハチマキを取られたり騎馬が倒れたりしたら退場
●終了の合図の後、残っていた騎馬が多いチームの勝ち
一つずつ解説します。
1.チームに分かれて4人で一組の騎馬を作る
騎馬戦では騎馬役の3人と騎手役1人の、4人一組で戦います。
騎馬役のうち、1人が先頭に立ちます。残りの2人は先頭にいる騎馬役の斜め後ろに立ち、それぞれ内側の手を先頭の騎馬役の肩にかけ三角形を作ります。
後ろにいる騎馬役2人が先頭の騎馬役の肩にかけた手は馬の鞍に見立てられており、その手に騎手役が騎乗します。
2.合図とともに相手騎手の帽子やハチマキを取るか騎馬を崩す
スタートの合図で、相手側の騎手が被っている帽子やハチマキを奪うために出陣します。
この時、相手側の騎馬を崩してもOKです。
3.ハチマキを取られたり騎馬が崩れたら退場
制限時間内にハチマキを取られたり、騎馬を倒されたりしたら退場です。
味方の陣地に戻り、終了の合図が鳴るのを待ちます。
4.終了の合図の後、残っていた騎馬が多いチームの勝ち
競技の勝敗は、残っている騎馬の数で争います。
すでに帽子やハチマキを取られたり、騎馬が崩されたりしているチームは退場していますので、場内に残っている騎馬数の多いチームが勝ちです。
競技中のルール・注意事項
騎馬戦は競技がエスカレートすると、激しい掴み合いや殴り合いが起きてしまうこともありケガのリスクがあります。そのため、競技を行うにあたってはルールや注意事項が決められています。
具体的には、以下のとおりです。
●掴んだり殴ったりする行為は禁止、顔から上もNG
●ケガなどへの配慮も十二分に行う
それぞれ説明していきます。
1.掴んだり殴ったりする行為は禁止、顔から上もNG
競技中に相手を掴んだり、殴ったりする行為は禁止です。帽子やハチマキを取る際には、相手の髪の毛をつかまないよう注意する必要があります。
また顔や頭への攻撃は、ケガや事故につながる可能性が高いため禁止です。
たとえ競技中で興奮していたとしても、これらの行為はしない・させないようにルールの徹底が求められます。
2.ケガなどへの配慮を十二分に行う
騎馬戦を行う際は、事前に参加者に注意喚起をするなどケガへの配慮を十二分に行う必要があります。
また競技の途中であっても開催者が危険だと判断した場合には、即座に騎馬戦を中止する判断も大切です。
騎馬戦のアレンジ種目
ここからは騎馬戦によく似た競技を紹介します。
新しいスタイルの騎馬戦とも言われる競技には、以下のようなものがあります。
●ローハイド
●旗取り騎馬戦
●軽重騎馬戦
一つずつ紹介します。
ローハイド
ローハイドとは、リレー形式のチーム競技です。
ローハイドでは騎馬役の3人が騎馬を作り、騎手役1人が騎馬の上に乗ります。ここまでは通常の騎馬戦と同じですが、ローハイドでは騎手役の1人が先端にボールを結んだロープを手に持ちます。
スタートの合図とともに騎馬の状態で30mほど走り、騎手役は手にしたボールを目標物に向かいまわし投げます。無事ボールが目標物に当たれば、成功です。
ボールが目標物に当たった後は、騎馬を反転させゴールであるスタート地点に走って戻り、次のチームにバトンタッチします。
これをリレー形式で繰り返し、アンカーが一番早くゴールしたチームが勝ちです。
この少し変わったローハイドという競技名は、アメリカで放送されたカウボーイを主人公にしたドラマ「ローハイド」が由来になっています。
騎手が先端にボールがついたロープをまわし投げる姿がカウボーイに似ている事から、カウボーイが主人公であるドラマ「ローハイド」の名前が用いられました。
旗取り騎馬戦
旗取り騎馬戦は2つのチームに分かれ、お互いの陣地の最後尾にある旗を奪い合う競技です。
スタートの合図で、それぞれが敵の陣地にある旗を奪うため出陣します。この時に攻めと守りの騎馬を何体配置するのか、どのように攻めるのかなどの作戦とチームの全体の連携が勝利のポイントになります。
どちらかの旗が取られた時点で、競技は終了です。
軽重騎馬戦
通常の騎馬戦では4人一組でチームになり、相手側の帽子やハチマキを奪ったり騎馬を崩したりします。
軽重騎馬戦は基本的なルールは騎馬戦と同じですが、騎馬戦同様4人一組だけでなく3人もしくは5人一組のチームも作り、競技を行います。
3人一組の騎馬はスピード感があり、5人一組の騎馬は力強さがあります。チームの構成人数が異なるそれぞれの騎馬の特徴を活かしながら、力を合わせて戦うのが軽重騎馬戦の大きな特徴です。
まとめ
今回は騎馬戦の歴史やそのルールを紹介しました。
ケガのリスクがあるため、騎馬戦を行う運動会は減少していますが、チームワークの強化や団結力の向上など騎馬戦を行うメリットは多いです。
ルールの徹底を図る、もしくは新しいスタイルの騎馬戦を行うことで運動会が盛り上がることは間違いないでしょう。
これから運動会で騎馬戦を取り入れようか迷っている方、ぜひ参考にしてみてください。