2024.09.06
社内運動会

運動会で万国旗が使われるようになった理由を解説

夏休みが終わり、秋の運動会シーズンが始まりました。

すでに運動会の準備としてテントや入退場門、万国旗などを校庭に設置し始めた学校もあるようです。

この時期には見慣れた風景ではありますが、運動会の飾りとして用いられることの多い万国旗について、なぜ運動会で飾られるようになったのかご存知でしょうか?

今回は運動会に万国旗が掲げられるようになった理由と、昨今よく耳にするようになった万国旗を巡る問題などについて解説していきます。

 そもそも万国旗とは?

万国旗とは、世界中のさまざまな国旗をロープでつなげたものです。

万国旗は一度に世界各国の国旗を見ることができるため、世界にどんな国があるのか、どんなデザインの国旗なのかなど興味関心をひきやすく、国際理解を深めるきっかけにもなります。

また万国旗には、明るく華やかなイメージがあります。そのため、さまざまな場所で華やかさを演出する飾りつけとして用いられています。

日本国内ではイベントや店舗のバーゲンセール、運動会などの飾りとして掲げられることが多いです。

運動会で万国旗を掲げるようになった理由

上述したように万国旗は、運動会では定番の飾りつけの一つになっています。

ではなぜ、運動会で万国旗を掲げるようになったのでしょうか?

万国旗が運動会で掲げられるようになった理由について、以下の流れにそって解説します。

●日本で運動会が広まったのは明治初期

●国際交流などのイベントで世界の国旗を飾っていた

●華やかなイベントの象徴として使われるようになった

まずは、日本で運動会が広まった時期と理由についてみてみましょう。

日本で運動会が広まったのは明治初期

日本で最初に行われた運動会は、1874年に築地にあった海軍兵学校で開かれた共闘遊戯会だといわれています。

共闘遊戯会は、アスレチック・スポーツを直訳した言葉です。当時の海軍兵学校はイギリス式の教育を導入していました。

当時イギリスでは、すでにアスレチック・スポーツの行事が行われており、それを知った海軍兵学校関係者が「欧米で行われているアスレチック・スポーツを日本でも取り入れよう」と、真似したことが開催のきっかけだといわれています。

この共闘遊戯会では150ヤード競争のほか幅跳びや高跳び、ボール投げなどが行われたそうです。

その後1878年には、札幌農学校で力芸会という名の運動会が開催されました。

この力芸会では短距離競争や高跳など共闘遊戯会で行われた競技に加え、障害物競争や竹馬競争など、現在の運動会に近いレクリエーションも行われました。

1874年に海軍兵学校で開催された共闘遊戯会は軍事訓練としての側面もあったことから、札幌農学校で開催された力芸会を運動会の始まりだと見る人もいます。

そして、運動会という名前を初めて使用したのは東京大学です。東京大学では、1882年、日本における近代スポーツの父と評されるフレデリック・ウィリアム・ストレンジの指導のもと、多くの人々に来場して見てもらうイベントとして「運動会」と名付けた大会を開催しました。

明治初期にスタートした運動会は当初、大人の体力比べとしてスタートしましが、その後学校教育として導入され、全国に広がっていきました。

国際交流などのイベントで世界の国旗を飾っていた

大人の体力比べの大会として運動会がスタートした明治初期、日本に入国する外国の船には日本との友好の証として自国の国旗と日本の国旗を船に掲げる風習があったそうです。

また同じころ、国内で開催されるようになった万国博覧会でも同様に、参加国や日本の国旗が掲げられていました。

華やかなイベントの象徴として使われるようになった

国旗が掲げられた外国の船が港に出入りする様子は、非常に華やかです。

また、国際交流の場である万国博覧会も非常に華やかなイメージがあり、そこに飾り付けられた各国の国旗には賑やかで楽しそうなイメージが定着しました。

そのイメージにあやかり、多くの人々が参加する運動会も賑やかで楽しい催しにしたいという願いから、万国旗が掲げられるようになったといいます。

また運動会は、仲間同士でチームを組み協力し合いさまざまな競技種目に取り組む場です。

外国の船が友好の証として国旗を船に掲げたように、万国旗には親交や平和のシンボルというイメージがあります。

そのイメージに便乗しようと運動会でも万国旗が飾られるようになったという説もあります。

昨今では万国旗の順番による問題も

華やかなイメージから運動会の定番の飾りとして定着している万国旗ですが、昨今ではさまざまな意見が寄せられることが増えているようです。

その一つは、万国旗が飾られている順番や場所についてです。

飾っている側に他意がない場合がほとんどですが、見る人によっては自国の国旗が後ろの方や目立たない場所に飾られていると、自国やその国民が軽んじられているように感じるそうです。

また飾りつけの際に生じてしまう高低差から、自国が見下されているように見えるという意見もあるようです。

これは昨今の国際情勢の動きや、日本に住んだり旅行に来たりする外国の方が増えてきたことが関係しています。

さまざまな意見が寄せられるようになり、最近では「国名で、あいうえお順に並べる」「ABC…のアルファベット順になるよう調整する」など工夫しながら、万国旗を掲げている学校もあるそうです。

最近は万国旗を手作りする学校や幼稚園が増加

万国旗に対してさまざまな意見が寄せられるようになった昨今、オリジナルの万国旗を手作りするようになった学校や幼稚園が増えています。

オリジナルの万国旗には、子どもたちがそれぞれに自分が行ってみたい国の国旗を書いたり、玉入れやリレーなど運動会に関係するものが描かれたりしています。

中には食べ物や生き物など自由に好きな絵や色を用いて万国旗を作り、運動会で掲げている学校や幼稚園もあるようです

子どもたちが楽しみながら作った手作りの万国旗には、既製品にはない温かみがあります。

運動会を訪れる保護者や地域の方も、手作りの万国旗を通じて、子どもたちが運動会に向けどれだけ事前準備を頑張っていたのか、運動会を心待ちにしていたのか垣間見ることができるはずです。今までとは違った視点で運動会に参加し、より楽しめるでしょう。

まとめ

今回は運動会でよく見かける万国旗について、なぜ運動会で掲げるようになったのか運動会が広まった時期にまでさかのぼって紹介しました。

運動会といえば学校で開催されるものというイメージが強いですが、最近では社内行事やレクリエーションの一環として開催する会社も増えています。

株式会社運動会屋では万国旗など運動会開催に関するグッズの貸し出しをはじめ、社内運動会の企画・提案から実施まで幅広くサポートしています。

運動会の開催に少しでもご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

コラム一覧へ