運動会屋が発信する運動会に関するコラムです
日本では、当たり前のように習慣化されている定番行事の運動会。ところが、海外の方にはとても驚かれる行事であるようです。
そこで今回は、「日本の運動会は外国人の方にどう見えているのか?」「海外の運動会とはどのようなものなのか?」といった、日本と海外の文化について掘り下げていきます。
運動会のような文化は海外にはない?
実は、日本の運動会のような文化は、海外ではあまり見られません。
日本の運動会では、徒競走や障害物競走のような個人競技のほか、チーム対抗リレーや玉入れ、騎馬戦など、団体競技が多くあります。チーム別の応援合戦を行う運動会もあり、団体競技こそ、日本の運動会の見どころといえます。
しかし、海外の運動会は、チームで戦うゲーム感覚の競技はあるものの、日本の運動会のような団体競技を行うところは多くありません。
そのため、日本の運動会を見た多くの外国人の方は驚くのです。
日本の運動会を見て外国人が驚いたこと
日本の運動会を見て多くの外国人が驚くのが、以下の4つです。
●集団行動に整列をする習慣がある
●開催前に全体練習がある
●家族や保護者が応援に来る
●競技種目が独特である
それぞれ詳しく見ていきましょう。
集団行動に整列をする習慣がある
外国人は、集団行動で整列をする日本の習慣に驚きます。
日本では、普段から朝礼や集会があると、整列して並ぶことは小学校のときから当たり前のように行われてきました。運動会では、開会式や閉会式などできれいに整列をするでしょう。
しかし、海外では普段の学校生活からそのような習慣がありません。
そのため、小学生のような子どもでもきれいに整列できる日本の運動会を見て驚くのです。
「きれいに整列できていて美しい」という賞賛の声を上げる外国人もいます。
開催前に全体練習がある
運動会の開催前に全体練習があるのも、外国人が驚くポイントです。
日本の学校では、運動会前になると授業の時間を使ってでも全体練習を行います。競技の練習のほか、開会式や閉会式での整列の練習や、応援合戦の練習をするところも多いです。
丸1日使って、運動会とまったく同じ流れで予行練習をするところもあるでしょう。
しかし海外では、運動会前に全体で練習をすることはあまりありません。なぜなら、運動会そのものを楽しむことに重きを置いているからです。
日本では、一つのことに向かって全員で一丸となって取り組むことが重視されていますが、海外では楽しむことが目的のため、そこに文化の違いが生まれるのでしょう。
家族や保護者が応援に来る
海外の運動会では、家族や保護者が運動会のために丸1日使って応援に来るということはほとんどありません。
日本では、保護者の方だけでなく、親戚まで来るご家庭もあります。お昼にはみんなでお弁当を食べるのも運動会ならではの光景でしょう。
海外では、家族や保護者が参加する行事は、放課後を利用して希望者のみが参加することが多いようです。
競技種目が独特である
外国人からすると、日本の運動会の競技種目が独特だと感じるようです。
具体的には、騎馬戦や組体操、綱引き、2人3脚、ムカデ競争など、団体で競い合う競技種目が挙げられます。
海外の運動会では、サッカーなどのチームプレーがメインとなる競技以外は、ほぼ個人競技が行われます。ここも、海外と日本の運動会の大きな違いです。
海外の主な運動会(スポーツイベント)
ここで、海外の主な運動会を以下の5つの国別で見ていきましょう。
●アメリカ
●フランス
●イギリス
●中国
●タイ
アメリカ
アメリカでは、日本の運動会に似た行事として「Field day」というイベントが開催されます。
Field dayでは、子どもたちがグラウンドに出て、思いっきり体を動かしながら楽しむことが目的とされています。
Field dayと日本の運動会との大きな違いとしては、参加が任意であることが挙げられます。また、1日開催ではなく、半日開催であることが多いです。
Field dayの競技種目は州によって異なりますが、サッカーのPKやバスケットボールのフリースローなど、個人種目が多く行われます。
フランス
フランスでは、そもそも運動会というものがありません。
運動会どころか、入学式や授業参観、卒業式、部活動、掃除当番、給食当番など、日本では当たり前のように行われている行事や習慣がないのです。
フランスの学校は「勉強するところ」という概念が強くあります。
そのため、運動会などの行事ができるようなグラウンドを併設している学校も少ないです。
イギリス
イギリスでは、日本の運動会と似た行事として「Sports day」というイベントが行われます。
Sports dayは、日本のように一つのプログラムを順番に行うのではなく、グラウンドのいろいろな箇所に種目が用意されており、生徒がグループで各種目を回るというスタイルです。
主な種目は、大きな袋に足を入れて飛び跳ねながらゴールを目指すサックレースや、スプーンにゆでたまごをのせて落とさないようにゴールを目指すエッグスプーンレースなどが挙げられます。
日本では珍しいユニークな種目が、イギリスのSports dayの定番になっています。
アメリカのField dayと同じように、Sports dayは短い時間で終わることが多いですが、アメリカと違って家族が応援に来ることが多いです。
中国
中国では、幼稚園から大学まで運動会が行われます。
日本でも幼稚園から運動会が行われますが、大学で運動会を行うところは少ないです。その点は、中国のほうが運動会という文化が根付いているといえるでしょう。
中国の運動会の大きな特徴は、高跳びや幅跳び、投てき競技などの個人種目が多いことです。団体競技を大切にしている日本に対して、中国では個人競技を大切にしています。
そのほかにも、短距離走や中距離走、ダンス、縄跳びなど、種目数が非常に多いのも大きな特徴です。
また、中国でも、同じグラウンドの中で複数の競技が同時進行で行われます。さらに、人口が多いことから、全員が運動会に出られるわけではなく、事前に予選会が行われるのが一般的です。
このように中国の運動会は、人口が多いからこその文化が特徴的です。
タイ
タイの運動会の大きな特徴は、チアダンスやマーチングバンドなどを最大の見せ場としていることです。手作りの衣装を用意するところもあります。
また、競技の応援では、太鼓や笛などを使ってにぎやかに行われるのもタイならではです。
そのほかの競技は、徒競走や綱引き、応援合戦など、日本でも定番の競技が行われることが多いです。
まとめ
外国人から見た日本の運動会と、日本と海外の運動会の違いについて解説しました。日本では当たり前に行われる運動会の文化に、多くの外国人が驚きます。幼稚園児や小学生のうちからきちんと整列して並べたり、団体競技を通してクラスや学年で一つの目標に向かったりする日本の運動会文化は、海外に誇れるものでしょう。
また、海外の運動会にも、日本にはない魅力が詰まっています。外国人が日本の運動会を見て驚くように、私たち日本人も海外の運動会を見て驚くことがたくさんあるはずです。日本と海外の文化の違いを楽しみながら、視野を広げていきましょう。